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「エネルギー・環境に関する選択肢」への意見を公表(中経連)

 一般社団法人中部経済連合会(中経連)はこのほど、「エネルギー・環境に関する選択肢」への意見を取りまとめ、公表した。意見書では、政府の「選択肢」で示されたシナリオの前提条件について、先月閣議決定した「日本再生戦略」で目指す経済成長率より低い数値でエネルギーの需要予測を行っている点や、省エネ・再エネの目標値が「現実感を欠く」点を問題視。各シナリオとも、2030年のGDP が、自然体ケースと比べ低い水準に止まると予想しており、「電力価格の大幅上昇、家庭における可処分所得の減少のみならず、製造業においては海外移転が加速し、国内雇用の維持に深刻な影響が生じる」として、「いずれのシナリオも、エネルギーの安定・安価・安全な供給という国民・産業の期待に応えるものではない」との見解を示すとともに、「十分な情報・実現性の高い見通しの提示と時間をかけた検討を願う」と政府に注文を付けている。
 政府の示すシナリオに対する疑問・批判が各方面から巻き起こっている。シナリオの前提条件や根拠が不明確な数字を使用している点など、首をかしげる内容が数多く含まれているためだ。示された3つのシナリオの前提となった実質経済成長率(1.1%/年)と、日本再生戦略が目指す成長率(2%/年)とが矛盾している点は、7月18日に日本商工会議所が公表した意見書でも指摘。今後、日本再生戦略を展開すれば、エネルギーが足りなくなることは明らかであり、整合性に欠ける。日本再生戦略で成長のシナリオを示していながら、3つのシナリオでは、どのシナリオも電気代、ガソリン代の大幅な上昇や成長率の低下、失業者数の増加など国民生活と産業、雇用に大ダメージを与えることを前提にしている。
 再生可能エネルギーの急速な導入も実現可能性は極めて低い。再生可能エネルギーの比率を35%にするために、2030年までの18年間、日本最大級のウインドファーム相当の風力発電所を毎年30カ所建設し、毎年1000カ所のメガソーラーを設置し、住宅1000万戸に太陽光パネルを設置しても、まだ電力は足りないことから、太陽光パネルの設置不可能な住宅200万戸には、強制的に改修を義務付けるという内容も含まれているから驚きだ。再エネ導入に伴って必要となるバックアップ用の火力発電所の建設等のコストは示されていないという問題もある。送電等に必要な系統対策コストについては、6月19日にゼロシナリオで21兆円、15シナリオで12兆円と試算していたものを、10日後の6月29日にはゼロシナリオで5.2兆円、15シナリオでは3.4兆円として発表。その試算の根拠は未だに示されていない。
 非現実的な省エネルギーの前提にも問題が多い。ゼロシナリオでは、住宅を新築・改築する際には最高効率の省エネ住宅しか認めない、自動車も最高効率の省エネ車以外は市街地への乗り入れ禁止など厳しい使用制限を設ける、既存の石油ストーブやガスストーブは販売禁止、厳しい省エネ基準に適合しない古いアパートやマンションの賃貸は禁止する、などの国民生活に多大な負担を強いる極端な省エネを前提としている。
 日本商工会議所では、今回示された選択肢はいずれも実現可能性に乏しく、安定供給、エネルギー安全保障、コスト・経済性を軽視していると指摘。3~5年先、10年先の電力供給の見通しなど時間軸を示し、2030年に至るプロセスを示すとともに、再生可能エネルギーと省エネルギーについては、国民負担の許容範囲を含め現実的な目標を立てるべきとしている。
 詳細は、http://www.chukeiren.or.jp/news/pdf/20120808.pdfを参照。

   話そう「エネルギーと環境のみらい」http://www.sentakushi.go.jp/
   国家戦略室http://www.npu.go.jp/
   日本商工会議所http://www.jcci.or.jp/news/jcci-news/2012/0718183959.html
   経済同友会http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2012/120808a.html
   日本経済団体連合会http://www.keidanren.or.jp/policy/2012/057.html
   日本鉄鋼連盟・日本基幹産業労働組合連合会http://www.jisf.or.jp/news/topics/120620_2.html
   日商環境ナビhttp://eco.jcci.or.jp/

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