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「エネルギー・環境に関する選択肢」を深く正しく理解しよう(会議所ニュース9/1号)

(会議所ニュース9/1号掲載記事)

 政府の国家戦略室「エネルギー・環境会議」の「コスト等検証委員会」の委員を務め、「エネルギー・環境に関する選択肢」に関する経済影響分析を行った(公財)地球環境産業技術研究機構の秋元圭吾氏に選択肢の課題について解説をいただいた。

<ポイント>
○  原発ゼロでは可処分所得が平均9%以上低下する。
○  経済分析は、再エネ、省エネの投資効果を織り込んでいるが、内需拡大よりも経済損失の方が大きい。再エネ投資の外国製品比率が高ければ、さらに損失が大きくなる恐れもある。
○  経済分析は、政府提示のGDP(2割上昇)や電力量(ほとんど増加しない)の想定を利用して行った。想定の根拠はなく、経済分析は経済成長を保証したものではない。
○  選択肢は再エネ比率が高く、CO2削減目標も厳しすぎる。
○  これらの理解は政府内でさえ十分とは思えない。

  

「エネルギー・環境に関する選択肢」を深く正しく理解しよう

(公財)地球環境産業技術研究機構 秋元圭吾

 6月29日に政府から「エネルギー・環境に関する選択肢」が発表され、国民的議論が行われてきた。「エネルギー・環境に関する選択肢」の策定にあたって、政府は、電気料金の上昇、経済への影響などの分析を4研究機関に依頼し、その情報が公表されている。しかし、討論型世論調査なども行われてきたが、電気料金の上昇、経済への影響などについて深い理解が行われた様子はない。原発比率の違い、CO2排出削減対策などによって、様々な経済活動に大きな影響が及ぶが、通常の人の脳裏には、福島第一原発の爆発の映像が焼きついており、原発のリスクにばかり目が行きがちである。
 我々は、目の前のことには反応しやすいが、20年といった遠い先、また、経済の循環といった複雑なことに理解をはせることは通常大変難しい。まだ、家庭の電気代くらいには少し考えも及ぶかもしれないが、産業の電気代が上昇し、国際競争力を失い、企業が海外に移転し、雇用が失われる、それがひょっとしたら、自分の家庭のことになるかもしれない、といったことまで想像が及ぶことは稀である。とりわけ、中小企業や低所得者層に深刻な影響が及びやすいと考えられるが、メディアやにわか専門家による薄っぺらい情報に接するだけで、本当に正確な情報に接する機会も少なく、正しい理解が不足しがちである。
 ゆえに、本来、このような長期で広範にわたる複雑な問題は、専門性を持った官庁や真の専門家の検討・議論を踏まえて、政治家がそれをよく理解した上で、責任をもって大きな意思決定をすべきものである。しかし、残念ながら、原発事故によって、電力会社や経済産業省、エネルギー・原子力の専門家等への信頼は低下し、そこから距離を置こうとするあまり、素人的な議論が多く展開されてきた。このような中で、重大な意思決定がなされようとしていることに危機感を持たざるを得ない。

⇒全文は、http://eco.jcci.or.jp/wp-content/uploads/2012/09/cci-news0901.pdfをご覧ください。

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