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第13回会合(9月4日開催)の配付資料を公開(エネルギー・環境会議)

2012年9月5日 水曜日

 政府はこのほど、4日に開いたエネルギー・環境会議の配付資料を公開した。会議では、「国民的議論に関する検証会合の検討結果」「エネルギー・環境戦略」などについて議論。古川国家戦略担当相は、「戦略策定に向けて~国民的議論が指し示すもの~」を示し、会場内で怒号や野次が飛び交う中で行われた意見聴取会や、その影響もあって6800人に参加を呼び掛けて6500人以上が出席を断った討論型世論調査の検証結果についても発表。朝日新聞を除く、大手マスコミの世論調査で原発維持が原発ゼロを上回り、多くの経済団体が政府の3つの選択肢に疑問を呈している中で、「大きな方向性として、少なくとも過半の国民は原発に依存しない社会の実現を望んでいる。一方で、その実現に向けたスピード感に関しては意見が分かれている」という表現を使用した。
 一方、枝野経済産業相は「エネルギー・環境戦略策定に当たっての検討事項」として、原発をゼロとする場合の課題や再エネ・省エネの課題等に関する資料を提出。資料では、青森県との約束、電力需給のひっ迫・料金値上げ、CO2削減目標の放棄と国際関係への影響、日米関係、化石燃料調達への支障と地政学的リスクといった課題のほか、再生可能エネルギーや省エネの急速な導入も実現可能性が極めて低い状況にあることを20ページにわたって提示。国家戦略室が示した3つのシナリオの実現性の乏しさを遠回しに認めた内容となっている。
 国家戦略室の現実感を欠くシナリオと政府の対応に対する疑問・批判は各方面から巻き起こっている。政府の説明不足の影響もあり、各選択肢の経済に与える影響についての国民への理解は深まっていない。枝野大臣でさえ、「原発ゼロで経済にはむしろプラス」と発言していたが、今回の資料提出で事実上、前言を撤回した。日本商工会議所の機関紙「会議所ニュース」に寄稿した地球環境産業技術研究機構(RITE)の秋元圭吾氏は、「そうあって欲しいという願望ではなく、蓋然性の高い事実を正しく理解し、冷静な意思決定が求められる」と政府の対応に警鐘を鳴らす。
 日商では、今回示された選択肢はいずれも実現可能性に乏しく、安定供給、エネルギー安全保障コスト・経済性を軽視していると指摘。3~5年先、10年先の電力供給の見通しなど時間軸を示し、2030年に至るプロセスを示すとともに、再生可能エネルギーと省エネルギーについては、国民負担の許容範囲を含め現実的な目標を立てるべきとしている。
 詳細は、http://www.npu.go.jp/policy/policy09/archive01_13.htmlを参照。

   国家戦略室http://www.npu.go.jp/
   日本商工会議所http://www.jcci.or.jp/news/jcci-news/2012/0718183959.html
   日商環境ナビhttp://eco.jcci.or.jp/

「エネルギー・環境に関する選択肢」への意見を公表(中経連)

2012年8月9日 木曜日

 一般社団法人中部経済連合会(中経連)はこのほど、「エネルギー・環境に関する選択肢」への意見を取りまとめ、公表した。意見書では、政府の「選択肢」で示されたシナリオの前提条件について、先月閣議決定した「日本再生戦略」で目指す経済成長率より低い数値でエネルギーの需要予測を行っている点や、省エネ・再エネの目標値が「現実感を欠く」点を問題視。各シナリオとも、2030年のGDP が、自然体ケースと比べ低い水準に止まると予想しており、「電力価格の大幅上昇、家庭における可処分所得の減少のみならず、製造業においては海外移転が加速し、国内雇用の維持に深刻な影響が生じる」として、「いずれのシナリオも、エネルギーの安定・安価・安全な供給という国民・産業の期待に応えるものではない」との見解を示すとともに、「十分な情報・実現性の高い見通しの提示と時間をかけた検討を願う」と政府に注文を付けている。
 政府の示すシナリオに対する疑問・批判が各方面から巻き起こっている。シナリオの前提条件や根拠が不明確な数字を使用している点など、首をかしげる内容が数多く含まれているためだ。示された3つのシナリオの前提となった実質経済成長率(1.1%/年)と、日本再生戦略が目指す成長率(2%/年)とが矛盾している点は、7月18日に日本商工会議所が公表した意見書でも指摘。今後、日本再生戦略を展開すれば、エネルギーが足りなくなることは明らかであり、整合性に欠ける。日本再生戦略で成長のシナリオを示していながら、3つのシナリオでは、どのシナリオも電気代、ガソリン代の大幅な上昇や成長率の低下、失業者数の増加など国民生活と産業、雇用に大ダメージを与えることを前提にしている。
 再生可能エネルギーの急速な導入も実現可能性は極めて低い。再生可能エネルギーの比率を35%にするために、2030年までの18年間、日本最大級のウインドファーム相当の風力発電所を毎年30カ所建設し、毎年1000カ所のメガソーラーを設置し、住宅1000万戸に太陽光パネルを設置しても、まだ電力は足りないことから、太陽光パネルの設置不可能な住宅200万戸には、強制的に改修を義務付けるという内容も含まれているから驚きだ。再エネ導入に伴って必要となるバックアップ用の火力発電所の建設等のコストは示されていないという問題もある。送電等に必要な系統対策コストについては、6月19日にゼロシナリオで21兆円、15シナリオで12兆円と試算していたものを、10日後の6月29日にはゼロシナリオで5.2兆円、15シナリオでは3.4兆円として発表。その試算の根拠は未だに示されていない。
 非現実的な省エネルギーの前提にも問題が多い。ゼロシナリオでは、住宅を新築・改築する際には最高効率の省エネ住宅しか認めない、自動車も最高効率の省エネ車以外は市街地への乗り入れ禁止など厳しい使用制限を設ける、既存の石油ストーブやガスストーブは販売禁止、厳しい省エネ基準に適合しない古いアパートやマンションの賃貸は禁止する、などの国民生活に多大な負担を強いる極端な省エネを前提としている。
 日本商工会議所では、今回示された選択肢はいずれも実現可能性に乏しく、安定供給、エネルギー安全保障、コスト・経済性を軽視していると指摘。3~5年先、10年先の電力供給の見通しなど時間軸を示し、2030年に至るプロセスを示すとともに、再生可能エネルギーと省エネルギーについては、国民負担の許容範囲を含め現実的な目標を立てるべきとしている。
 詳細は、http://www.chukeiren.or.jp/news/pdf/20120808.pdfを参照。

   話そう「エネルギーと環境のみらい」http://www.sentakushi.go.jp/
   国家戦略室http://www.npu.go.jp/
   日本商工会議所http://www.jcci.or.jp/news/jcci-news/2012/0718183959.html
   経済同友会http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2012/120808a.html
   日本経済団体連合会http://www.keidanren.or.jp/policy/2012/057.html
   日本鉄鋼連盟・日本基幹産業労働組合連合会http://www.jisf.or.jp/news/topics/120620_2.html
   日商環境ナビhttp://eco.jcci.or.jp/